Apple Watchを使っていて、突然「心肺機能レベルが低い」という通知が表示されると、「体に何か問題があるの?」と心配になりますよね。
ですが、まず知っておきたいのは、Apple Watchの心肺機能レベルは医療機関で行う検査そのものではなく、日常の運動データなどから算出される推定値だということです。
Apple Watchでは「VO₂max(最大酸素摂取量)」という指標を使い、年齢や性別なども考慮しながら心肺機能レベルを評価します。Apple公式では、「低い」「平均より下」「平均より上」「高い」という範囲で表示されます。
通知が届いたからといって、すぐに病気だと決まるわけではありません。運動量、測定条件、登録情報なども数値に関係します。
この記事では、Apple Watchで心肺機能が低いと表示されたときに最初に確認したいこと、測定の仕組み、数値が低くなる要因、改善を考えるときのポイントまで、初心者向けにやさしく解説します。
※Apple Watchの心肺機能データは健康管理の参考情報です。体調に不安がある場合や気になる症状がある場合は、Apple Watchの数値だけで自己判断せず、医療機関へ相談してください。
まず確認|「心肺機能が低い」と通知されても慌てなくて大丈夫
通知は病気の診断ではない
「心肺機能が低い」という言葉を見ると、心臓や肺に病気があるように感じるかもしれません。
しかし、Apple Watchが表示しているのは、運動時のデータから推定した心肺機能レベルです。
そのため、この通知だけで特定の病気があるかどうかを判断することはできません。
まずは「健康状態を振り返るきっかけの一つ」と考え、最近の数値や運動状況を確認してみましょう。
一度の数値だけで判断しない
心肺機能の推定値は、毎回まったく同じになるとは限りません。
運動した場所や心拍データの取得状況などによっても変化するため、一度だけ低い数値が出たからといって、その数字に一喜一憂する必要はありません。
iPhoneの「ヘルスケア」アプリでは、日・週・月・6か月・年といった単位で心肺機能の変化を確認できます。
単発の数値よりも、しばらくの推移を見るほうが状態を把握しやすいでしょう。
低い状態が続くと再度通知されることがある
Apple公式では、心肺機能レベルが「低い」範囲に入ると通知され、その状態が続いた場合には、その後も通知される仕組みが案内されています。現在のApple Watchユーザーガイドでは、低い状態が続く場合は4か月ごとに通知されると説明されています。
そのため、一度通知されたあとも、ヘルスケアアプリで数値の流れを確認しておくと安心です。
Apple Watchの「心肺機能」とは何を表している?
VO₂maxという指標を使っている
Apple Watchの心肺機能は「VO₂max」という数値をもとにしています。
VO₂maxとは、運動中に体がどのくらい酸素を取り込み、利用できるかを表す指標です。
一般的に、持久力や有酸素運動能力を見るときに利用されます。
Apple Watchでは医療機関のように専用機器を装着して直接測定するのではなく、Apple Watchで集めたデータからVO₂maxを推定しています。
年齢や性別などによって評価が変わる
「VO₂maxが○○なら全員低い」といった単純な判定ではありません。
Apple Watchでは、年齢や性別などを考慮して心肺機能レベルを評価します。
Apple公式によると、推定には年齢・性別・体重・身長のほか、心拍数に影響する薬に関する情報も考慮されます。
そのため、ヘルスケアアプリに登録している生年月日や体重などが大きく間違っていないかも確認してみましょう。
20歳以上ではレベル分類を確認できる
Apple公式では、Apple Watch Series 3以降でVO₂maxの推定値を記録でき、20歳以上のユーザーについて心肺機能レベルの分類を利用できると案内しています。
ヘルスケアアプリの「心肺機能」から、自分の測定値がどの範囲に入っているか確認できます。
Apple Watchはどうやって心肺機能を測っている?
心拍数と体の動きを使って推定する
Apple Watchは、運動中の心拍数や体の動きなどからVO₂maxを推定します。
Appleの技術資料では、Apple Watch Series 3以降が運動に対する心拍数の反応を利用してVO₂maxを推定すると説明されています。
つまり、Apple Watchが直接「肺活量を測っている」というわけではありません。
主に屋外ウォーキング・ランニング・ハイキングで記録される
心肺機能の推定に使われる代表的なワークアウトは、
・ウォーキング(屋外)
・ランニング(屋外)
・ハイキング
です。
Apple公式では、ジムの機器などを使う屋内ワークアウトは心肺機能推定の対象にならないと案内しています。
「毎日運動しているのに心肺機能データが増えない」という場合は、普段行っているワークアウトの種類も確認してみましょう。
最初からすぐ数値が出るとは限らない
Apple Watchを買った直後に、すぐ正確な心肺機能データがそろうわけではありません。
Appleによると、最初の推定値を得るまでには、少なくとも24時間Apple Watchを装着し、その後複数回の屋外ウォーキング・ランニング・ハイキングなどが必要になる場合があります。
新しいApple Watchへ買い替えた直後などは、少しデータがたまるまで様子を見ることも大切です。
心肺機能の数値が低くなるときに考えられること
最近あまり体を動かしていない
心肺機能は、有酸素運動の量や強度と関係します。
デスクワークが増えた、外出する機会が減った、しばらく運動を休んでいるといった変化があれば、以前より数値が低くなることも考えられます。
Appleも、多くの人では有酸素運動の頻度や強度を高めることでVO₂maxの改善が期待できると案内しています。
測定条件が整っていなかった
Apple WatchのVO₂maxは推定値なので、データを取りやすい状況かどうかも大切です。
Appleの技術資料では、十分なGPSと心拍信号が得られ、比較的平坦な場所で一定の運動負荷があることなどが、推定値を生成する条件として説明されています。
ゆっくりした散歩を短時間行っただけ、GPSを受信しにくい場所だった、心拍がうまく測れていなかった、といった場合には普段とは違う結果になる可能性があります。
体調や服薬などが関係することもある
心拍数は、その日のコンディションや服薬などさまざまな要素の影響を受けます。
Appleでは、心拍数に影響する薬についてヘルスケア情報へ登録でき、VO₂maxの推定に考慮される仕組みを用意しています。
持病がある方や薬を服用している方は、自分の判断で薬を変更せず、気になる数値については医師へ相談してください。
「測定がおかしい?」と思ったときに確認したいポイント
ヘルスケアプロフィールを確認する
まずiPhoneのヘルスケアアプリに登録している情報を確認してみましょう。
特に、
・生年月日
・性別
・身長
・体重
などは推定に利用される情報です。
昔登録した体重のままになっている場合などは、現在の情報に更新しておくとよいでしょう。
Apple Watchを適切に装着する
運動中に心拍数を測るためには、背面のセンサーが手首にきちんと接している必要があります。
バンドが極端にゆるく、Apple Watchが手首の上を大きく動いてしまう状態では、心拍数を安定して取得しにくくなることがあります。
反対に、必要以上にきつく締める必要もありません。
運動するときにずれない程度に、快適にフィットさせましょう。
一度の結果より複数回のデータを見る
「昨日より1ポイント下がった」といった小さな変化を、そのまま体調の悪化と考える必要はありません。
ヘルスケアアプリでは長期間のデータを確認できるため、数週間から数か月程度の流れを見るほうが使いやすいでしょう。
心肺機能データが記録されないときの確認方法
対象になるワークアウトをしているか確認する
室内ウォーキングや筋力トレーニングだけを行っている場合、心肺機能の推定値が新しく記録されないことがあります。
Apple公式で対象として案内されているのは、主に屋外ウォーキング・屋外ランニング・ハイキングです。
GPSや心拍数が取れる環境で行う
屋外でも、GPSが安定しにくい環境や心拍数を十分に取得できない状態では、VO₂maxの推定値が生成されない場合があります。
Appleの開発者向け資料でも、十分なGPS・心拍信号・運動強度などが必要とされています。
データが出ない場合は、開けた場所で普段どおりの屋外ウォーキングなどを数回行い、しばらく様子を見てみましょう。
Apple WatchとiPhoneを最新状態にする
データがまったく表示されない、設定項目そのものが見当たらない場合は、iPhoneとApple Watchのソフトウェアも確認します。
利用しているモデルによって対応機能が異なるため、Apple公式サポートで自分のモデルが対応しているか確認するのもおすすめです。
心肺機能を改善したいときは無理のない運動から
まずは続けられる運動を選ぶ
心肺機能の数字を見ると、「すぐに激しいランニングをしなければ」と思うかもしれません。
ですが、普段ほとんど運動をしていない方が、突然強い運動を始める必要はありません。
まずは散歩の時間を少し増やすなど、自分が継続しやすい方法から始めることが大切です。
数字だけを上げることを目的にしない
Apple Watchに表示されるVO₂maxは、自分の体の状態を知る一つの目安です。
「数値を○○まで上げる」ということだけに集中すると、無理な運動につながることがあります。
歩く習慣を作る、少し体を動かす時間を増やすなど、生活全体を見直すための参考として使いましょう。
運動量を増やすときは体調を優先する
運動習慣がない方、持病がある方、医師から運動について指示を受けている方は、自己判断で急に運動強度を上げないようにしてください。
Apple Watchの数値を改善することより、安全に続けられることのほうが大切です。
通知が続くときは医療機関へ相談したほうがいい?
Apple Watchの数値だけでは診断できない
「低い」が続いていても、その理由をApple Watchだけで特定することはできません。
反対に、心肺機能レベルが「高い」と表示されているから、病気が絶対にないという意味でもありません。
Apple Watchは、体調を診断する代わりではなく、日常の健康管理をサポートするツールとして利用するものです。
体調に気になる変化があれば相談する
通知だけでなく、普段と違う息苦しさ、胸の違和感、強い動悸、以前より明らかに疲れやすいなど、体調面で気になることがある場合は、Apple Watchの数字だけを見て様子を決めず、医療機関へ相談してください。
受診するときには、心肺機能の推移をヘルスケアアプリで見せると、いつ頃から数値が変化したのか説明する材料になります。
数値が不安なら相談してもよい
自覚症状がなくても、「低い状態が続いていて不安」という場合は、健康診断や医療機関で相談する選択肢があります。
Apple Watchだけでは確認できないこともあるため、専門家に確認することで安心につながることがあります。
Apple Watchの心肺機能データを上手に活用するコツ
長期的な変化を確認する
おすすめなのは、毎日の小さな上下よりも、数か月単位の変化を見ることです。
ヘルスケアアプリでは期間を切り替えてグラフを確認できるので、運動を始める前後などを比較できます。
「最近少し上向いているな」といった変化が見えると、運動を続けるモチベーションにもなります。
年齢・性別による範囲も一緒に見る
VO₂maxは数字だけを見ても、初心者には高いのか低いのかわかりにくいものです。
ヘルスケアアプリでは、自分の年齢や性別をもとにした心肺機能レベルの範囲を確認できます。
インターネット上にある他人の数字と単純に比較するより、自分のヘルスケアアプリに表示される評価を参考にしましょう。
心肺機能だけで健康を判断しない
Apple Watchには心拍数、睡眠、アクティビティなどさまざまな記録があります。
ただし、どの数値も一つだけですべての健康状態を判断できるものではありません。
数字を気にしすぎるのではなく、「最近歩く時間が減っている」「睡眠時間が短くなっている」といった生活を振り返るヒントとして利用すると、無理なく続けやすくなります。
Apple Watchの心肺機能に関するよくある質問
「低い」と表示されたらすぐ病院へ行くべき?
通知だけで病気と判断することはできません。
まずヘルスケアアプリで過去の推移や測定状況を確認しましょう。
ただし、気になる症状がある場合や数値について不安が強い場合は、医療機関へ相談してください。
Apple Watchを買い替えれば数値は上がる?
新しいモデルへ買い替えれば必ずVO₂maxが高く表示される、というものではありません。
Apple公式ではSeries 3以降でVO₂maxの推定値に対応しています。
機種変更による数値差を「体力が急に上がった・下がった」と単純に考えず、長期的な傾向を見ることが大切です。
室内ウォーキングでも心肺機能を測れる?
Apple公式では、心肺機能推定の対象として屋外ウォーキング・屋外ランニング・ハイキングが案内されており、屋内ワークアウトは心肺機能推定の対象にならないとされています。
心肺機能データを記録したい場合は、体調や天候に無理のない範囲で屋外の対象ワークアウトを利用してみましょう。
数値が毎日変わるのはおかしい?
VO₂maxはApple Watchによる推定値なので、毎回まったく同じになるとは限りません。
一日の変化だけを見るより、週・月・半年などの推移を確認するほうが、自分の傾向を把握しやすくなります。
まとめ|「心肺機能が低い」は体を見直すきっかけとして活用しよう
Apple Watchの「心肺機能レベルが低い」という通知は、屋外でのウォーキングやランニング、ハイキングなどから推定されたVO₂maxが、年齢や性別に対して低い範囲に入っていることを知らせるものです。
通知が届いたからといって、特定の病気があると決まるわけではありません。
まずは、
・ヘルスケアアプリで過去の推移を見る
・年齢・身長・体重などの登録情報を確認する
・対象となる屋外ワークアウトが記録されているか確認する
・Apple Watchがきちんと装着されているか確認する
・一度の数値ではなく長期的な変化を見る
といった点をチェックしてみましょう。
最近運動する機会が減っていたなら、無理のない範囲からウォーキングなどを生活に取り入れるのも一つの方法です。
一方、数値を上げるために急に激しい運動をする必要はありません。持病がある場合や運動について医師から指示を受けている場合は、その指示を優先してください。
また、普段と違う息苦しさや胸の違和感など体調面で気になることがある場合は、Apple Watchの数値だけで判断せず医療機関へ相談しましょう。
Apple Watchは「診断してくれる機械」ではなく、自分の生活や体の変化に気づくためのサポートツールです。
数字に振り回されるのではなく、毎日の健康を振り返るきっかけとして上手に活用してみてくださいね。