世界では地球温暖化が進み1997年12月に先進国全体の温室効果ガスの削減に関しての京都議定書が採択され、2015年11月にフランスで開催されたCOP21では、2020年以降の温室効果ガス削減に関して先進国、途上国関係なくすべての国に適用されるようになりました。
最近では、2016年3月には宮崎県が温室効果ガス削減で県民、事業者及び行政が、一体となって取り組んでいる様子も伺えています。
その地球温暖化の原因とされる二酸化炭素などの温室効果ガスが工業分野だけでなく、畜産などの食生活と密接に関わっている発表がありました。
この原因とされる畜産との関係を解説していきます。
温室効果ガスは簡単に説明するとこうなる
まず、温室効果ガスとは
温室効果ガスを簡単に説明すると、地球の表面には大気に覆われています大気は主に窒素や酸素ですが、その中には二酸化炭素などの温室効果ガスがわずかながら含まれています。
二酸化炭素などは赤外線を吸収し再び放出する性質があり、太陽からの熱=赤外線は地球の表面から地球の外に向かって放出されます。
しかし、この放出された熱はそのまま外にいくのではなく、赤外線は熱として大気中に蓄積されます。
そして、その蓄積された熱が再び地球の表面に戻ってきます。
その戻ってきた赤外線が地球の表面の大気を温めることを温室効果といいます。
では、温室効果がなければこの問題は起きないと思いますよね。
ただし、温室効果にもしっかり役目があり、もし温室効果がないと地球の表面温度はマイナス19℃となってしまうと考えられています。
そのため温室効果があることで地球の平均気温はおおよそ14℃に保たれています。
では、どういったのが温室効果をもたらす気体なのか。
それは、主に二酸化炭素・水蒸気・炭素・メタン・フロン類です。
よく聞くのが二酸化炭素やフロン類ですよね。
こういった温室効果をもたらす気体の増加によって地球温暖化が進んでいます。
温室効果ガスの原因は畜産と判明!?
これまで二酸化炭素が温室効果ガスの原因として注目されていましたが、畜産も原因になっている事が判明しました。
食生活に関わる温室効果ガスの排出量で最多なのが肉類の消費関連です。
一般的な養豚での排出量を精肉までの工程ごとにまとめると、えさのトウモロコシや小麦などの生産・輸送が全体の3割で以外にも、ふん尿処理に全体の半分が占めていることがわかりました。
そのため日本の養豚では、えさを海外から輸入するトウモロコシや小麦に頼っている傾向があります。安価な飼料を大量にすることで、環境への負荷が大きくなっていることがわかります。
もう1つ意外な要因が、牛のゲップです。牛肉の生産に関わる温室効果ガス排出量は、同じ量の豚肉の4倍ほどに上ると言われています。
その要因が牛がするゲップです。牛のゲップにはメタンが含まれているためです。
動物が一度のみ下した食物を口の中に戻し、嚙みなおして再び飲み込むことを「反すう」と言いますが、この「反すう」を牛がする時にメタンが発生していると言われています。
ただし現状では、このメタンを抑制したことで温室効果ガス排出削減の効果の大きさは、まだわからないのも事実です。
このまま畜産物を生産し続けた場合、30年後には温室効果ガスの50%以上が畜産が占めるとも言われています。
【あとがき】
このままの状況が続けば、牛が高級食材になってしまったりする可能性もあります。
畜産をする上で、ただ畜産の排出量の問題だけに目を向けるのはなく、日々暮らしの中で人間たちもできることがあるのかもしれない。
無駄に生産させるのではなく食生活を変え、工夫することで食品の無駄を減らした時に少しは変わるかもしれません。
また、日本人の野菜摂取が少ないのも問題になっているため、この機に野菜を取る食生活をすることも地球のためであり自分のためになります。